あなただけが好きだから
女子の嫉妬が怖いけれど蓮が約束したと言おう。
そんな私達を横目に……。
「なぁ咲、正直蓮ってヘタレじゃね」
「そうね、怜のアタックぶりは高く評価するわ」
こんな会話が繰り広げられていたなんて知るよしもなかった。
蓮と二人で中庭にくる。
裏庭と違ってまた静かだった。
(あれ? 意外と人気ないのかな)
「怜は変わらず手作りか?」
「え、うん。先輩も美味しそうに食べてくれたよ」
「先輩が、ね……」