あなただけが好きだから
ごめんと思うなら蓮を返してください。
なんて言えるわけもなく。
「いえ、大丈夫です」
二人を見送って自分も教室に戻る。
なんだか色々疲れてしまった。
「咲、ただいま」
「あら、蓮は?」
「部活でなんかあるんだって」
「そういえば涼も呼び出されてたわね」
昼休みが終わると同時に蓮と涼は帰ってきた。
どうやら二人とも大会には行けないらしい。
それはあの先輩二人がそれほど強いから。
それから、蓮をお昼に誘うも水曜日しか一緒に食べてくれなかった。
なぜか本条先輩と食べる方が多くなっていた。
そんな中テストというものは近づいていて。