あなただけが好きだから
「確かに石神くん、朝練には来てるけどさ。放課後のが重要っての、わかるよね?」
「分かってます。そのうえでの俺の考えです」
「そう、まぁ、わからなくもないけどね」
本条先輩の瞳はなんだか怒っていた。
いや、怒らないほうがおかしいのかもしれない。
というか蓮、部活サボってたのか。
「まぁいいや、大会も出ないし大目にみてあげる。怜ちゃんに免じて、ね」
そう言って笑う先輩は、やはりどこか黒い。
「え、でも本条先輩……」
「怜ちゃんは気にしなくていいよ?」
そうは言われましても、私のせいなら気にします。