【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
どうしていいのか固まってしまう。

忙しなく動いているのは心臓だけで、彼にその音が聞こえてしまうのではないかと思うほどだ。

そんなガチガチのわたしを見て、彼がクスッと小さく笑った。

「君が社会人失格だって言うなら、俺は男失格だな。女性に先に告白させるなんて」

眉尻を下げて、何とも言えない表情をしている。

わたしは「そんなことないです」と言って、首を振った。

彼はわたしの頬から手を放すと、次は髪を優しく撫でてくれる。

「大人になるとずるくなるんだ。なんとなく気持ちが伝わっているだろうと、高を括っていた。謝る」

またしてもわたしはブンブンと首を振る。

「勝手に誤解したのはわたしですから」

「それでも、君を傷つけたのは俺だから――。生涯をかけて償わせてくれるかい?」

生涯? それって……。

まっすぐに神永さんを見る。すると彼は今までにないほど真剣な目でわたしを見ていた。

「尾関恵麻さん。結婚を前提に俺とお付き合いしてください」

「け、けっこ……んっ……ん」

驚いたわたしは、彼にもっと驚かされた。ぐいっと腕を引かれて唇を奪われたからだ。

もちろん返事なんてできるわけもなく、ただ柔らかい彼の唇から与えられる熱に溶かされる。

二度目のキス。だけど、前回とは比べものにならないほどの甘くてとろけるようなキス。
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