【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛

「あの、それは心配していないですからっ! わたしが何か失礼なことしてなかったかなぁって」

「ちょっとは心配してもいいと思うけど。俺も、普通の成人男子だからね。可愛い子と一緒にベッドに入っていると、よからぬことも考えるんだけど」

「えっ?」

 何やら一瞬艶めいた視線を向けられた気がする。しかし次の瞬間、部屋の壁掛け時計が六時を過ぎているのに気がついた。

「うそ……遅刻しちゃう!」

 慌ててベッドから飛び降りたわたしに、神永さんは驚いたのか目を見開いている。慌てて玄関に向かうわたしの後を、彼がついてきた。

「書置き残したので、読んでくださいね」

 口頭で説明する暇もない。焦って靴を履くわたしに神永さんが何かを握らせた。
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