仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
翌日。

美琴は朝の九時に、実家への挨拶のため出発した。

一希はまだ寝室に居る様だった。

彼が今日一日どう過ごすのかは知らない。一日中家に籠っているとも思えないが、何をするのか詳細は聞かなかった。

お互い干渉しないと自分から言い出した以上、決め事は守らなくては。


いつもよりも空いている電車に三十分程乗り、実家の最寄り駅で降りる。

のんびりと歩き着くと、一階の店舗脇の鉄階段を上り二階の玄関脇のチャイムを鳴らした。

しばらくすると忙しない足音が聞こえ、勢いよく扉が開く。

「お姉ちゃん!」

声とともに、元気いっぱいの弟たちが飛びついて来た。

年が親子と言えなくない程離れているせいか、小学生になっても変わりなく甘えて来る。

素直に好意を伝えて来る姿を見る度、美琴は喜びを感じた。

「みんな、明けましておめでとう」

弟達の相手をしながら靴を脱ぎ、リビングに向かう。

「明けましておめでとうございます!」

明るい声がいくつも上がり、その次は、一斉に話しかけられる。

「待って、ひとりずつね」

落ち着きがなく、他人が聞いたらうるさいであろうこのやり取りが、懐かしくて嬉しい。


リビングの扉を開けると、継母の恵美子に出迎えられた。
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