仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
「そんなつもりはない……突然千夜子の名前が出て来たからつい反応しただけだ」
「そうは思えなかったですけどね。今みたいな態度を日ごろから美琴に対して取って来たんじゃないですか? その度に彼女は傷ついたはずだ」
「美琴には千夜子の話はしていない」
「覚えていないだけでしょう。少なくともあなたは観原さんを“誰よりも守りたい人”だと美琴に言っている。喧嘩のときの売り言葉に買い言葉だったとしても、妻を傷つける絶対に言ってはいけない言葉だった」
一希がついに黙り込む。慧も言葉を切ったけれど、しばらくしてから再び口を開いた。
「あなたは言葉で美琴を傷つけただけでなく、蔑ろにし続けた。クリスマスも大晦日も家に帰らず彼女はひとりきりだった」
慧に指摘され、一希は反論しようと顔を上げた。
けれど、声が出なかった。今更何を言っても言い訳にしかならないと思ったからだ。
「俺は神楽さんの態度に怒りを覚えた。政略結婚だから気持ちが無いのだとしてもあんまりだ。傷ついた美琴を助けたいと思った。彼女があなたから離れると決心したときの為に、あなたの弱みを握りたくて観原さんを調べたんですよ」
「そうは思えなかったですけどね。今みたいな態度を日ごろから美琴に対して取って来たんじゃないですか? その度に彼女は傷ついたはずだ」
「美琴には千夜子の話はしていない」
「覚えていないだけでしょう。少なくともあなたは観原さんを“誰よりも守りたい人”だと美琴に言っている。喧嘩のときの売り言葉に買い言葉だったとしても、妻を傷つける絶対に言ってはいけない言葉だった」
一希がついに黙り込む。慧も言葉を切ったけれど、しばらくしてから再び口を開いた。
「あなたは言葉で美琴を傷つけただけでなく、蔑ろにし続けた。クリスマスも大晦日も家に帰らず彼女はひとりきりだった」
慧に指摘され、一希は反論しようと顔を上げた。
けれど、声が出なかった。今更何を言っても言い訳にしかならないと思ったからだ。
「俺は神楽さんの態度に怒りを覚えた。政略結婚だから気持ちが無いのだとしてもあんまりだ。傷ついた美琴を助けたいと思った。彼女があなたから離れると決心したときの為に、あなたの弱みを握りたくて観原さんを調べたんですよ」