「えっと…じゃあ、過保護なお父さんと
いうのは…?」

「1番、うるさいのは小川本部長ですが、
宮本専務もそれなりに口を出してきます。」

「でも、小川本部長は、義理のお父さん
なんですよね?」

「そうなんですけど、私が母のお腹にいる時に
自ら私の父になる決心をしたせいか、3人いる
父親の中で1番うるさいのが小川本部長
なんです。」

「出世がどうこうというのは、そういう事
だったんですね。」

「はい。
今まで、出世目当てで私に寄ってくる男性が
とても多かったので…
ごめんなさい。」

「いえ、謝る事じゃありませんよ。
俺は、栗原さんが好きなんです。
出世なんて、自力でしてみせますから、
後押しなんていりませんよ。」

「え?」

今、さらっと、『好き』って言った?

それに、出世に興味がないんじゃなくて、自力でする?

もしかして、この人、今まで寄ってきた人とちょっと違う?

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