残念な王子とお節介な姫
「もちろん、一度上がった役職は落ち着いた
からといって、元に戻される事もないから、
この先、出世競争で1歩どころか、2歩も3歩も
先に進めるのは間違いない。
同期が50歳で課長の時に、君は役員に名を
連ねてるかもしれない。
この1年位は辛いかもしれないが、先々を
考えたら、悪い話じゃないと思う。
どうかな?」

俺は、出世には、今まで全然興味はなかったけど、50歳になった時、結の隣にいるのが、課長の俺か、取締役の俺かどちらがいいかといえば、そりゃあ、やっぱり、取締役の方がいいだろう。

だけど、結は、どうしよう…

そんな状況で結を連れてったら、残業100時間越えは確実だ。

「あの、課長。」

「ん?」

「いつまで大阪なんでしょうか?
いつか戻ってこれるんでしょうか」
< 11 / 262 >

この作品をシェア

pagetop