残念な王子とお節介な姫

で、うちがやり方を教えたら、ちょっとマシになった。

そしたら、たまたま綺麗に焼けたのを自慢げにうちに見せて、ニコニコ笑ってた。

うちがちょっと褒めると、めっちゃ嬉しそうに「姫にやる」ってゆうて、うちにくれた。

課長は、うちが食べるのをじぃっと見て、更に嬉しそうに笑った。

うちは、なんや、そんな課長がめっちゃかわいく見えた。

もう30歳やのに、王子様やのに、ちょっと子供みたいやった。


その後、お腹が苦しゅうなったうちらは、そのまま少し横になる事にした。

そしたら、横になって見る課長は、色気ダダ漏れで、目のやり場に困った。

せやから、つい元カノさんの事を聞いてしもた。

元カノさんは、課長がオタクな事を否定しぃひんどころか肯定してくれたらしい。

うちは、どうやったやろ。

否定した記憶はないけど、思いっきり驚いた顔をしたような気がする。

あかんわ〜。
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