残念な王子とお節介な姫
「じゃあ、姫、シャワー浴びてくる?
それとも1度帰って着替えてくる?」

課長のジャージ脱ぐのは、なんや惜しい気もするけど、これじゃ買い物にも行けへんし、昨日のスーツで休日を過ごすのも嫌や。

「帰ります。お邪魔しました。」

うちがそう言うと、

「姫、おいで。」

と課長が手招きする。

なんやろ?

課長のあとに続いて寝室に入ると、課長はクローゼットを開けた。

「結が使ってたクローゼットだけど、
もし、姫が嫌じゃなければ使っていいよ。」

「え?」

「結が使ってたところを使うのは嫌だと
思うなら、無理に使わなくてもいいし、
必要なければ、それでもいい。
ただ、これからもここにいるなら、部屋着とか
着替えを置いておいてもいいよ。」

それって…
彼女みたいやない?

ほんまに本気でゆうとるん?

「昨日みたいに深酒をしたら、泊まってっても
いい。」

そんなん、めっちゃ期待してしまうやん。

課長、どうしたん?
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