残念な王子とお節介な姫
「海翔…」

見る間に結の目が潤んでいく。

今まで1ヶ月、寂しい思いをさせてごめん。

「はい。よろしくお願いします。」

結、必ず、大切にする。

いつまでも一緒にいような。


その3日後、6日の深夜、俺は最終の新幹線で大阪に帰った。

それまでの間、俺はずっと結をこの腕に抱いていた。

ゲームをしたいなんて、一度も思わなかった。


そういえば、出会った頃、結が言ってたな。

「そのうち、ゲームも卒業するかも
しれませんね。」

ゲームなんかより、大切で愛しい存在ができた俺は、もうオタク卒業なのかもしれないな。
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