残念な王子とお節介な姫
しばらくして、俺は

「結、もう帰れる?」

と聞いた。結が

「うん。」

と答えると、

「お邪魔しましたー。」

と結の手を握って歩き出す。

結は慌てて、

「お先に失礼します。」

と挨拶をして、俺についてきた。


結はエレベーターを待ちながら、言った。

「海翔、困るよ。
私、来週から、どんな顔して出勤すれば
いいの?」

「ああ、そうだよね。ごめん、ごめん。
結に会えた事が嬉しくて。」

結が変わった気がして、不安で…
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