残念な王子とお節介な姫
すると、その直後、結が言った。

「海翔、お腹空かない?
お昼ご飯、買ってきて。」

「分かった。何食べたい?」

「グレープフルーツジュースと野菜サンド。」

「ん。じゃ、行ってくる。
ちょっと待ってて。」

俺は、財布をポケットに突っ込んだ。

結は俺を追い出して、何をしたい?

俺は何も気付かないふりをして、出かけた。



買い物をして戻ると、結は普通の顔をして片付けをしていた。

だけど、さり気なくゴミ箱を覗くと、さっきの半券は無くなっていた。

たかが半券を大切にしたいと思えるような思い出なのか?

誰と?

同期と行ったって言ってたな。

俺の後に安達班に来た奴か?


・:*:・:・:・:*:・

俺たちは、1日がかりで荷造りを済ませ、あとは寝具類だけになった。

食器も何もない。


だから、俺はたちは、最後の夜に外食をする事にした。

近所にあるのに今まで来たことがなかったイタリアンレストラン。

結はグレープフルーツジュースとカプレーゼ。

俺は、シーフードのパスタを注文した。
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