残念な王子とお節介な姫
招待客もリストアップした。


俺は、2人の招待客リストを見ながら、言った。

「じゃあ、会社関係は、俺から連絡しておくよ。
会社から掛ければいいから。」

なのに、他の結婚準備はほとんど興味を示さなかった結が、

「海翔、仕事、忙しいでしょ?
私から掛けるよ。」

と言う。

だけど、リストに並ぶ見知った名前の中にある俺の知らない名前。

『小川天』


「大丈夫。SEも増えたし、前ほど忙しく
なくなったんだ。」

それは、嘘じゃない。

だけど、何より、結の同期と話をさせたくない。

結が揺れると困る。

「結は、自分の友人関係だけ、お願い。」

結もそれ以上強くは言って来なかった。

「分かった。ありがとう。」
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