桜恋色
あれから……そして、これから。
「アンタもやっと結婚すんのねぇ~」



六年後。



二十五歳最後の日を祝ってくれた瞳実と園花に、



「やっとって言わないでよ~」



ちょっとむくれてみせた。



結婚して一児の母になった瞳実と、新婚ラブラブの園花。



二十歳のときの初恋を思いの外引きずってしまい、



二人には出遅れたものの、



わたしにも最愛のパートナーが見つかったわけだ。



「まぁ。初恋は成就しないって言うけどね」



なんて漏らす瞳実はすっかり奥さんの先輩面。



所帯じみたって言ったら怒られた……。



「お迎え来てくれてるんでしょ?」



ニコニコ笑う園花に、照れたように頷けば、



「……今が一番良い時期よねぇ」



こう言ってため息をつく瞳実はやっぱり……所帯じみた。



「まぁまぁ。そう言わないで、邪魔者は退散退散」



どうやら久々の夜遊びで、二人は主役不在の二次会をするらしい。



わたしも行くって言ったら、



「主婦限定!」



って、突き返されてしまった。



仕方なく二人を見送っていたら、
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