花に恋するチューリップ
第1章

花が堕ちる


***俺



高校入学して早1ヶ月が経とうとした5月上旬。

桜も散って少し暑くなってきた頃だ。



「花くんっ!かーえろっ♪」

俺の可愛らしい彼女は、クラスが違うのにいつも俺のクラスまで迎えに来て、毎日一緒に帰っている。


...そろそろ飽きた。




「わり、今日雄大と約束あんだ!また来週な〜」

「え〜〜わかったあ」

少し不貞腐れた顔で帰っていった。



「俺お前と約束ないんだけど〜」



ニヤニヤしながら呟いた雄大。

佐々木 雄大。
俺の幼馴染で1番の理解者。小学校から高校までずっと同じ学校だ。

...多分雄大は気づいている。俺が飽きてきたっていう事を。



「まあまあ、マック行こうやー」



「何で関西弁使ってんだよ!花キモッ」





はっきり言って、俺はモテる。
高校入学してから今まで5、6人からは告白されている。

髪も茶髪にしてピアスもつけて...
何考えているかわからない知的な所や
ちょっと悪い雰囲気の男がいいって女子達は騒ぐ。

正直他の奴らと違う点が分からないが、そう言う事らしい。







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