花に恋するチューリップ


「あ、花〜。ごめんね、ただの疲れ過ぎで貧血起こしただけらしい!」



いつもと変わらない母さん。

まじかよ...割とガチで心配したのが恥ずかしくなった。



「お母さん沢山働いて居たんだね。2、3日休ませてから退院させようか」


医者がこうやって言うから、仕方なくそうする事にした。

母さんはすごく元気な女性って感じだが、やっぱり年は取ってるし体力も無くなってきている...



週1でしか入っていないバイト。
そろそろ本気で週3とかでバイトしないとな〜





「ねえ、心配したの?遊んで来なかったの?母さんのことそんなに大好きなの〜〜??」


嬉しそうにケタケタ笑いながら質問を何度も投げかけてくる。
恥ずかしさのあまり、うるさいしか口から出てこない。


自分のマザコンさを他の女子が知ったら引くんだろうけど、別にそこは恥ずかしいとは思わない。





「母さんね、入院とか人生で初めて!40歳にして初よ!入院生活と言ったら、お見舞いにお花とか買ってきたりするんでしょ?フルーツとか!」


入院生活を満喫しようとしているな...。

いつも働きっぱなしだったし、2、3日も休むなんて滅多にないから、たまには母さんのリクエストにも応えてあげようかな〜




「じゃ、速攻で買ってくる」




嬉しそうに俺を見送った母さんだった。

途中で医者にも会って、退院は月曜の午前中との事だ。

よし!月曜まで家誰も居ないから誰か呼ぼ〜っと




ウキウキしながら花屋へと向かった。





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