Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「んー、でも、確かに桜の時期はいいよねー。
式はそれで調整して、籍だけ先に入れちゃおうか」

「そんなに焦んなくてもいいんじゃないかな?」

まるでシャッターでも降りたみたいに、一気に春熙の顔から感情が消える。
失敗した、すぐに悟った。

「その」

「愛乃は僕と、結婚するのが嫌?」

ぶんぶんと勢いよく首を振る。

嫌じゃない、それは本音。
小さいときから春熙のお嫁さんになるんだって言い聞かされてきたし、私もそうなるんだって思ってきた。
それ以外、考えたことなんてないし、考えられない。

でも――でも、いまの自由な時間を少しでも長引かせたい、が。

「なら問題ないよね」

「……うん」

春熙がにっこりと笑い、ようやく息をほっと吐き出す。
< 141 / 340 >

この作品をシェア

pagetop