Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「だいたい、そんな浮かれた格好をしている人間に、愛乃を任せるわけにはいかないので」

「浮かれたって、いまから海に行くのにそんな格好をしている君の方がよっぽどどうかしていると思うが」

今日の高鷹部長はアロハシャツにハーフパンツ、足下はビーチサンダルだし、さらにパナマ帽にサングラスをかけている。
浮かれているといえば確かにそうだけど、いまから海水浴に行くんだから別におかしくない。

反対に春熙は白に紺のボーダーニットに黒のスキニー、さらには黒のジャケットを羽織って足下は革靴。
普段着としては合格点だけど、海に行くファッションかといえば違うと思う。

「あなたにそんなことを言われる筋合いはないので」

「へー、愛乃はどう思う?」

「えっと……」

私に話を振られても、困る。
そもそも、私が一番、海水浴にふさわしくない格好をしているんだし。

なんていったって、……着物、なんだから。
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