Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
はぁーっとため息を落とし、椎名さんはあきれたように笑った。
その笑顔に……なぜか胸がずきずきと痛む。

「そろそろ止めなきゃと思うんだけど、東藤本部長も一歩も引いてくださらないし」

春熙の手が四本目の瓶を掴む。

「ああ見えてはる……きもそろそろ限界のはずです。
引っ込みがつかなくなって誰かが止めてくれるのを待ってるのかも」

「じゃあそろそろ止めますか!
はいはーい、スイカ割りやろうと思うけど、やりたい人!」

椎名さんの声にみんなが集中する。
春熙と高鷹部長も集中が途切れたみたいで、こっちを見ていた。

「オレ、準備します!」

張り切って橋川くんが準備をはじめ、場の空気が緩んだ。

「僕はあなたを、認めたわけじゃないですからね」

「ああ、覚えておく」

春熙と高鷹部長が同時にグラスに残っていたワインを一気に飲み干し、……同時にその場に倒れ込んだ。
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