Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
経営戦略部では、いつものように橋川くんが菓子パンを囓っていた。

「それ、なにパン?」

「新製品のパインデニッシュ」

会話をしながら、自分のパソコンを立ち上げる。

「おいしそーだねー」

「明日、買ってくる?
コーヒー牛乳と一緒に」

「あー、いいや。
いままでありがとう、橋川くん」

なんでもないように笑って答える。
でも橋川くんはなにかに気づいたのか心配そうに顔を曇らせた。

「なんか、あった?
あれから全然、連絡つかなかったし」

「んー、すぐにわかると思うから」

やっぱり笑ってごまかした。
少しでも、この幸せな時間を長引かせたい。
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