Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「来い!」

「……いや。
……離して」

イヤイヤと首を振るものの、男――春熙は私の腕を掴んで強引に引っ張っていく。

「愛乃をどこに連れていく気だ!?」

「あなたに関係ないでしょう?
それよりご自分の心配をしたらどうですか」

春熙が無表情に征史さんを突き放す。

「おとなしくしないか!」

必死に、私へと手を伸ばす征史さんを警察官が取り押さえる。
後ろ手で壁に押さえつけられ、征史さんは身動きひとつできなくなってしまった。

「行くよ、愛乃」

「いや!
行かない!
離して!」

必死に抵抗し、春熙の腕を引きはがそうとした、が。
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