Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「うん、午後からも頑張って」

他の社員の目なんて気にすることなく、ちゅっと春熙が唇を重ねてくる。
恥ずかしいけれど、両親とは違って自分は未来の夫から愛されているって自覚できるから嬉しい。


午後もあくびを噛み殺しながら仕事をしていた――が。

「香芝はいるか」

バン!と勢いよく扉が開き、部内の視線が集中する。
開けた男――高鷹部長は気にすることなく、つかつかとカウンターの中に入ってきた。

「あ、あの、香芝さんがなにかしましたでしょうか……?」

びくびくと杉原課長が高鷹部長の前に立ち、私はそれを、腰を半分浮かせて見守っていた。

「話がある。
ちょっとこい」

「その、昨日の件の苦情でしたら私が給わりますので……!」

杉原課長の制止をものともせず、高鷹部長が私の席へと向かってくる。
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