Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
けれど同じ、裕福な家庭のお嬢様たちと一緒に、なにも考えずにお金と他人の時間を無駄に消費するよりもましだから、仕事を辞める気は無い。


今日のお昼は時間ができたからって、春熙が近くのフレンチに連れてきてくれた。

お昼はいつも、春熙か父が一緒。
ふたりとも会議が入ったりとかしたときは、専務室でひとり、デリバリーのごはんを食べる。

「週末、久しぶりに旅行に行こうか。
温泉に行ってゆっくりして、一泊」

春熙はまだ私が昨日、高鷹部長に怒鳴られたのを気にしているんだろうか。
それとも、父からなにか言われたのかな。

「うん、楽しみ」

にっこりと笑って返事をしておく。
行きたいわけではないが、拒否するのが面倒というよりも、どうせ拒否しても聞いてもらえないからという諦め。

「今日はお義父さん、接待入っているから一緒に帰ろう。
じゃあ、また後で」
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