Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「お父様。
本当にありがとうございます」

「べ、別にお前たちの結婚を祝福してやろうとかではなく、その、親が式に出席しないなど、ちょっと可哀想か、などと同情してやっただけで……」

早口で捲したてる父の耳は赤くなっている。
どういう心境の変化かわからないが、それだけで嬉しい。

「はい、それでも嬉しいです」

「だから、私は別に……こら、やめなさい!
はしたないぞ!」

衣装が乱れるなど気にせずに、父に抱きつく。
あんなに私へ過剰なスキンシップをしていた癖に、父は完全に照れていた。



――カーン、カーン、カーン、カーン。

青空に響き渡る音で、教会の鐘が鳴る。

「こっち向いてくださーい」
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