Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「別にいい。
あの人は俺を、こき使ってくれたからな」

なんだかいろいろありそうだけど……それはおいおい聞こう。

――コンコン。

ノックの音がして、ふたり同時にドアを振り返った。

「その。
新婦のお父様が到着です」

ふたりで顔を見合わせ、急いで席を立つ。
係の人に案内された先では、父が手持ちぶさたに立っていた。

「お父様!」

私の姿を見つけた父が一瞬、嬉しそうな顔をした。
けれど次の瞬間にはそれを隠すように苦虫を噛み潰したかのように不機嫌になる。

「来てくれてありがとうございます」

「……お前のためになど来てない」

征史さんがあたまを下げたものの、父はそっぽを向いてしまった。
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