Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
ただ、橋川くんが四つ年下というハンデがなかなか超えられなかっただけじゃないかな。

……なんて私の想像だけれど。

「そろそろお時間です」

係の人に呼ばれて、中へと戻る。
征史さんは先へ聖堂の中へと入っていった。
扉の前で父に腕を取られ、そのときを待つ。

「高鷹……征史君がこの間、ひとりで家に来たんだ」

まっすぐ前を見たまま、父がぼそぼそと話す。

「絶対に愛乃を幸せにしてみせる、だから自分に任せてほしいと、汚れるのも厭わずに土下座されたら……折れるしかない」

ふふっ、思いだしたのか小さく父が笑った。
征史さんがそんなことまでしていたなんて知らなかった。
私って征史さんから本当に愛されているんだ――。

「お時間です」

係員の手が、カウントダウンをはじめる。

「お父様。
……ごめんなさい。
でも私は幸せになるから」
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