Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
父からの返事はない。
係員の合図と同時に扉が開き、バージンロードを進んでいく。
その先には征史さんが待っている。

「……幸せになれ」

征史さんに私を託す際、父が小さく呟いた。
それだけですでに、泣きそうになった。


厳かに式がはじまる。

「……永遠の愛を誓いますか」

「はい」

征史さんは私が最後の女と決めていると言ってくれた。
だから私も誓う、征史さんが最後の男だって。

「では、誓いのキスを」

ベールが上がり、征史さんの顔が近づいてくる。
目を閉じるとそっと唇が重なった。
いままでしてきたどんな口づけよりも幸せなキス。
私を満たす幸福感が溢れ、涙になって落ちていく。

目を開け、征史さんに笑いかける。
征史さんも笑って、私の涙を拭ってくれた。
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