Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「別に怒っているわけじゃないよ。
ただ、心配しているだけ。
わかるでしょ?」

「……はい」

小さい子を諭すように、春熙は話してくる。

「愛乃にまたなにかあったら、お義父さんは悲しむよ。
僕だってあんな気が狂いそうな思い、もうしたくない」

「……はい、ごめんなさい」

ぽたぽたと落ちてくる涙が情けなくて、さらにまた涙が出てくる。
泣いている私に春熙は困ったように笑った。

「わかったんならいいよ。
そうだ、今日はちょっと怖い思いさせちゃったから、お詫びにごはん食べに連れていってあげる。
お腹空いてるでしょ?
どこがいい?
それとも、明日は午前中、予定入ってなかったはずだから、半休にしてホテルでゆっくりしようか」

「……うん」

赤信号で車を止め、春熙が私の顔をのぞき込んでくる。
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