夜の世界に舞う


ママ、きっと私のこと嫌いだったんだ。

中洲なんてそんな世界なのかもしれない。

上っ面だけのしょぼい世界。





「まーーなーー。」

扉を開けるなり飛び込んだように倒れてくる奏。
いや、ホストより桜ちゃんの顔。


「誕生日なにもらったら嬉しい?」

膝まくらをしながら聞く。

「愛からは何もいらない。いてくれればいい。それだけでいい、ほんとに。」


「なにそれ、、」

少し微笑んだ桜ちゃんに胸が締め付けられる。


しばらくすると黒服がシャンパンを片手に入ってきた。


< 82 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop