夜の世界に舞う
ママ、きっと私のこと嫌いだったんだ。
中洲なんてそんな世界なのかもしれない。
上っ面だけのしょぼい世界。
「まーーなーー。」
扉を開けるなり飛び込んだように倒れてくる奏。
いや、ホストより桜ちゃんの顔。
「誕生日なにもらったら嬉しい?」
膝まくらをしながら聞く。
「愛からは何もいらない。いてくれればいい。それだけでいい、ほんとに。」
「なにそれ、、」
少し微笑んだ桜ちゃんに胸が締め付けられる。
しばらくすると黒服がシャンパンを片手に入ってきた。