朝マヅメの語らい
「なんでわかった」
「潮の流れや水温の関係もあるのではないかと――」

「いや、そうじゃなくて」橋爪は神長の言葉を遮った。

「場所だってはっきり伝えてねえし、家から遠くないにせよ、寄るっていうような時間じゃねえだろうに。神長氏は今日、釣りするわけじゃねえんだろ」

「残念なことに、仕事が入っています」
 神長は尖ったあごをこころもち上げ、水平線の向こう側に視線を投げている。

「ロッドを選んだ以上、釣れるように責任を持つってか?」
「それもありますが、どのみち早朝起きだったのでそのついでです。……タックルの具合はどうですか」

「いいね。釣れるかは知らんが、俺のスタイルに合うからストレスがない。エギングロッドの標準仕様で、船釣り用掴まされなくてよかったわ」

「とりあえず、で買うと後々全部買い換える羽目になってきますからね。用途が限定されていても、気に入った一本を見つけたほうがいいです」
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