朝マヅメの語らい
ぶつからないためにある程度の権限を与え、出来る限り仕事を分業にしているが、そうなればますます正当な評価がなされているのか分らないはずだ。

自分の何を見ているのかもわからない相手に、腹の内など明かすだろうか。橋爪は、自分ならばまずありえないと思った。

「まきさんは、橋爪さん自身の目で見た評価をしているのではなく、周りからの評価を仕方なく反映させているだけだと思っているのかもしれませんよ。

勤務評価の数字は良くとも、それをどう捉えるのかは人それぞれです。まきさんも自分を過小評価しがちなところがあります」

「たしかにあいつは、察しは良くとも、自分の考えに絶対的な自信を持っている、というタイプではないよな」

 話のしづらい人間、合わない人間というものがある。人同士の関係などそういうものだと勝手にわかった気になっていたが、そう決め付けることで、多くのものから目を背けてしまっていたのだろう。

自分の抱えている葛藤と同じものを、知らずに部下にまで押し付けてしまっていたのかもしれない。
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