朝マヅメの語らい
それに、たった三匹しか釣れなかったうちの貴重な一匹ならば、レモン大福同等の価値はあるだろう。橋爪は勝手にそう結論付ける。
(そういや、まいちゃん。なんで俺の名前知ってんだ?)
ふと思い立って、橋爪は胸元に目を落とした。社員証を首からさげているわけではない。普段から出社後はデスクにしまっているし、公共料金などの支払いにこのコンビニを使ったこともない。
カード払いもゼロだ。麻衣が名前を知るタイミングなどないはずである。麻衣が誰かに名前を聞かない限りは。
坂巻のことは『あのお兄さん』と呼んでいたのに、こちらは『橋爪さん』だ。麻衣が言いかけた「眼鏡を取ったらたぶん」のあとに続く言葉を想像すると、あごの付け根が痛くなり、耳の下を押さえた。
(なんだよ。たまにはいい仕事もすんじゃねえか、まきのやつ)
橋爪がふと足を止めたとき、
「橋爪さん、待って」
背中に麻衣の弾んだ声がかかり、アスファルトを蹴る音が近づいてきた。
Thank you for reading,see you next story☆
(そういや、まいちゃん。なんで俺の名前知ってんだ?)
ふと思い立って、橋爪は胸元に目を落とした。社員証を首からさげているわけではない。普段から出社後はデスクにしまっているし、公共料金などの支払いにこのコンビニを使ったこともない。
カード払いもゼロだ。麻衣が名前を知るタイミングなどないはずである。麻衣が誰かに名前を聞かない限りは。
坂巻のことは『あのお兄さん』と呼んでいたのに、こちらは『橋爪さん』だ。麻衣が言いかけた「眼鏡を取ったらたぶん」のあとに続く言葉を想像すると、あごの付け根が痛くなり、耳の下を押さえた。
(なんだよ。たまにはいい仕事もすんじゃねえか、まきのやつ)
橋爪がふと足を止めたとき、
「橋爪さん、待って」
背中に麻衣の弾んだ声がかかり、アスファルトを蹴る音が近づいてきた。
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