獣な彼の目覚める独占欲～エリート准教授に熱い夜を教えられました～

その目は欲望に染まっていてゾクッとした。
なんか……危険。
"この雰囲気はマズイ。"
私の頭の中で警鐘が鳴る。
だが、金縛りにあったかのように身体が動かない。
「君が欲しい」
ファイサルさんはそう告げると、その顔を私に近づけてきた。
"キスされる！"
「イヤ！」
思い切り叫んで顔を背ければ、ファイサルさんは自嘲するように言った。
「口説いてる女性にここまで拒絶されたのは初めてだよ。それとも、君には好きな男でもいるのかな？」
フッと微笑する彼の目はさっきと違って優しい。
ファイサルさんの言葉にパッと鷹臣君の顔が浮かんだ。
「例えば鷹臣とか？」
彼は私の反応を窺う。
言い当てられてドキッ。
なぜファイサルさんのキスを拒んだのかわかってしまった。