獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~

【番外編】私達の目覚めは……

「おっ、姉ちゃん、馬子にも衣装じゃん」
大学の正門の前で、友達と写真を取っていたら、学ランに紺のコートを羽織った弟がニコニコ顔で現れた。
今日は私の大学の卒業式。
エジプトから帰国して四日経った。
鷹臣君はマスコミの取材で忙しく、大学で顔を合わせたくらい。
袴姿を一番に見せたかったのに、今朝美容院から戻ったら、彼はテレビ局に行っていて家にはいなかった。
綺麗な桜の花が描かれたピンクの着物と、紺の袴はとっても素敵なんだけど、鷹臣君に大学で会っても彼の感想は聞けなかった。
まあ、彼は人気の先生だし、仕方がない。
平日ということで、両親は仕事があって出席出来なかった。
もう卒業式は終わっていて、みんな帰るところ。
謝恩会は明日の夜に都内のホテルで開催予定だ。
「もう式終わったよ。急にどうしたの?」
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