獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~

4、朝目覚めたら……

『ねえ、本当にイギリスに行っちゃうの?』
中学生の私が鷹臣君の腕を掴んで問い質す。
そこは彼の部屋。
『うん、向こうに尊敬する先生がいるからね』
大学生の彼はいつものように穏やかな顔で答えた。
『いつ戻って来るの?』
親よりも近くにいた彼が突然いなくなるのが悲しくて、涙が込み上げてくる。
『五年後かもしれないし、十年後かもしれない』
その鷹臣君の返答にショックを受けた。
『五年後……って長いよ。そんなに待てない』
泣きながら文句を言うと、彼は優しく私の涙を拭って微笑んだ。
『寂しくなったら、この部屋においで。本とか自由に読んでいいから』
鷹臣君の部屋は、私のくつろぎの場所。
学校が終わって帰るのは、自宅ではなく彼の家。
両親は共働きだったし、弟の悟の面倒はおばさんが見てくれた。
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