獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~

6、ついにやって来ました、エジプト!

きゃーっ、ついにやって来ました念願のエジプト。
発掘調査をするルクソールの空港にはカイロを経由して午前九時すぎに着いた。
長時間のフライトで身体は疲れているけど、胸はワクワクしてる。
だって、ルクソールには王家の谷やカルナック神殿があるんだもん。遺跡の宝庫だよ。
ここまで来たらやっぱり観光もしたいなあ……なんて手荷物の受け取り場所で考えてたら、鷹臣君にコンと軽く頭を叩かれた。
「鈴音、日本じゃないんだからボーッとしない」
こういうところ、頼れる保護者って感じ。
「あっ、ごめん。スーツケース取って来なきゃ」
ペロッと舌を出して謝り、スーツケースを探しに行こうとしたら、彼が軽い溜め息をついた。
「もう鈴音の分も取って来てあるよ」
「……すみません。お手数おかけしました」
鷹臣君の顔色を窺いながら謝ると、案の定不安げに私を見ている。
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