恋愛の仕方おしえます。

ー 10月2日 ー

金曜日。

パーティー当日。


俺は早朝から仕事の予定が狂い、
本社へ行けなくなってしまった。


移動の車の中で藍川に電話して、
まず謝罪。


そして今日の流れを
できるだけ手短に伝えた。



---18時。


パーティー会場の前で藍川を待っていると、
やたら美人な女が、周りの男の視線を集めながら
こちらへ向かって歩いてくる。



「桐山社長、お待たせしました!」


「…あれ…、藍川?」


「なんですか、その質問?
藍川に決まってるじゃないですか。」


「いや、ごめん。
いつもの眼鏡してないから分かんなかった。」


「………。」


「眼鏡が無いと、お前は可愛いな。」


俺がそう言うと、

何故か藍川が固まってしまう。


「…な…………っ…な…ナ………ッ!」


「これから俺の前ではいつもそうしてろよ。
社長命令だ。」



それから緊張してる様子の藍川の手を掴み、
先導したのだった。


「そんなに緊張しなくてもいい。
お前は肩の力を抜いて、ただパーティーを楽しんでいろ。」



---この後、
あんな事が起こるとも知らずに…-----。
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