恋愛の仕方おしえます。

軽い気持ちで吐いた嘘が
俺を苛ませる。


「…っ……男なんか大っ嫌い……っ!
誰にも言ったこと…なかったけど…、
それでも……、桐山社長には……
……社長なら…って、そう思ってたのに…!!」


「悪い…。知らなかったよ。
だから泣くな。」


「謝らないで下さい!
余計惨めになるでしょう…!?」




長い間、沈黙が続く。


聞こえているのは『ぐすん、ぐすん』と泣き続ける彼女の声だけだった。



ようやく涙が止まった後、

「…歩いて一人で帰りますね。」

と、車から降りようとした彼女。

「二日酔いだろ。嫌でも乗ってけよ。」


…ていうか、
こんな泣き晴らした藍川を一人で帰らすとか絶対できないし。

俺は彼女の手を掴んで意地でも離さなかった。



---…。


「ありがとうございました…。
お仕事…頑張って下さい…。」


「それじゃあ、今日はゆっくり休めよ。
また月曜日。」


「…また、月曜日。」







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