夢原夫婦のヒミツ
大好きな人の腕の中で幸せな気持ちに浸っていたものの、ふとお見合いのことが気になった。

大和さん、私にプロポーズしてくれたんだもの。お見合いパーティーには参加しないよね?
でも上司に言われてって言っていたし……。

不安になり、顔を上げて恐る恐る尋ねた。

「あの……大和さん」

「ん? どうかした?」

私の目元に残っていた涙を拭う大和さんに問うた。

「お見合いパーティーには、出ませよね……?」

ドキドキしながら言うと、途端に彼は目を丸くさせた。だけどすぐに深いため息を漏らすと、呆れた顔で私を見つめる。

「するわけないだろ? ……愛実ちゃんにプロポーズしたのに」

その答えを聞き、胸を撫で下ろす。

「よかったです……!」

そしてまた彼に抱き着くと、さらに強い力で抱きしめられた。

「好きだよ、愛実ちゃん」

「……私も大和さんのことが大好きです」

負けじと愛の言葉を囁くと、どちらからともなく笑ってしまった。
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