夢原夫婦のヒミツ
不安が渦巻いていく。

「……愛実ちゃん？」

黙り込んだ私の様子を心配そうに窺う日比谷さんに、我に返る。

「あ、すみません。急いで準備しますね」

明るい声で言うと彼は安心した顔を見せた。

「ありがとう。愛実ちゃんの料理、楽しみにしていたから嬉しいよ」

日比谷さんをリビングへ案内して残りの準備に取り掛かる。

それから三人で楽しい食事の時間を過ごした。主に日比谷さんが冗談を言ったり、大和さんをからかってばかりだったけど。

一緒になって笑いながらも、心の奥では日比谷さんが言っていた言葉が木霊していた。

『大和は愛実ちゃんのことが好きで好きで、たまらないんだよ』

この言葉の意味を証明してほしい。だって私と大和さんは……。



「愛実、先に風呂入っておいで」

「え、でも……」

日比谷さんが帰り、片づけをしているとお風呂の準備をしていた大和さんがキッチンへやって来た。
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