夢原夫婦のヒミツ
昼食の時間になり、配膳の手伝いをして私も子供たちの食べる様子を見てメニューを思案するため、いつも園児たちと給食を共にしている。

その日によってお邪魔する教室を変えていて、今日は年長クラスで共にしていた。

「今日の給食はどうかな?」

同じテーブルの園児に尋ねると、みんな「美味しいー」と言ってくれて、ホッと胸を撫で下ろす。

だけど片づけを手伝っていると、残している子もいてそれをよく見て今後のメニューの参考にしている。

やっぱりにんじんやピーマンを残している子が多いな。大変でも、もっと細かく刻んで調理した方がいいのかもしれない。

そんなことを考えていると、園児ふたりが仲良く手を繋いで私の元へ駈け寄ってきた。

「夢原先生、聞いてもいいですか?」

私を見上げる男の子が健一(けんいち)くんで、女の子が茉奈(まな)ちゃん。そういえばつい最近、このクラスの担任の先生から聞いたことがある。

この子たち、付き合っているって。

可愛いなぁとニマニマしながら目線を合わせるようにしゃがんだ。
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