失翼の天使―wing lost the angel―
「もう大丈夫ね。鮎川さん、次は宮本先生が診てる患者さんの腕をお願い。貼るまでやってね?」



「はいっ」



「入ります」



「あぁ」



最小限の処置に留めた私は、手が空いた為、賴真の補助に入る。

腹部の熱傷と、転倒して額を切ったらしい。

丸椅子をコロコロと持って来て、頭元で座って縫合の準備。

部分麻酔の注射を打ち、縫合してテープで傷口がズレないように固定。

--プップーッ



「鷺沼総合病院、救命救急センター」



縫合を終え、患者さんに報告してるとまたホットライン。



『21歳ホストの男性と、30代女性がお店の螺旋階段から転落しました――…』



スピーカーから患者情報を聞きながら、次の受け入れ準備に入る。



「あのロッカーに新しいシーツがあるから出して交換してあげて」



オロオロしてるアップの……鮎川さんに声を掛けて仕事を割り振る中、もう1人は初療室の出入り口で動かず仕舞。

ホットラインに出た宮本先生の指示のもと、私は腹痛を訴えるホストの方へ入る事に。

FASTの準備をし、後ろを付いて来た鮎川さんへと振り返る。

…何故、私に;;

姉か他のナースのところに行けば良いのに;;
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