失翼の天使―wing lost the angel―
けど、暮らしは普通だったし、特に自慢したり威張らなかったが為に、芹那を調子に乗らせた節はある。

何かと言えば、“パパは教授”だとか、数年前からは“パパは院長”と自慢。

だからどうしたと放っておいたら、彼は居なくなった。

――彼は優秀な人。私に相応しい人――

でも、私から言わせれば、誰でも良い、お金に目が眩む情けない男。

このまま後悔して暮らせば良いんだ。

--プルルル…ッ



「はい」



『明日菜ちゃんの件は、戸松-トマツ-君に頼んだら、“是非に”と返事を貰ったよ』



「良かった。戸松のおじ様のところなら、距離が近付くし、お給料が寧ろ増えますね」



『あぁ。能力を評価して惜しみなくお金を出す子だ。それと、小林院長にアポイントメントを取ったよ。直接対決して来る。未練はないと優海を見ればわかるが、負わなくても良かった傷を負わされたんだ。親として、出来る限り戦うよ』



「うん。ありがとう」



『たまには親らしい事をさせてくれ』



「十分だよ お父さんとお母さんが元気で居てくれるだけで救い」



『じゃあ早く、鷺沼院長の息子さんと、お近付きになって欲しいものだな』



「……はい?;;」



『それじゃあな』



…ちょっと、待ってよ!;;
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