再殺動
「またかよ」
トムは有からのメールを読むとすかさずSNSで検索をかけた。すると、あっという間に有と健司が二人で映っている写真がばんばん出てきた。
これが最初じゃないけれど、さすがに毎回ショックを受ける。スマホをベッドに投げ、そのまま寝っ転がった。
今日は有と食事の約束をしていた。
今流行りの服に、ヘアスタイルも有とつりあうようにセットして、トップモデルまでとはいかなくとも、そこは自分だってモデルのはしくれだ。そこそこ見栄えはする。トムなりに有のために頑張っていた。
しかし、今日の約束はモデル仲間の健司にかっさらわれてしまった。
よせばいいのに、つい手元にスマホを引き寄せ、SNSで新たに検索してしまう。
新しい写真が上がってきた。
そこにはファンの子と仲良く三人で映る有の笑顔。その隣には健司。
「……お似合いかよ」
皮肉に吐き捨てる。
こんなときは一人で家にいても塞ぎ込むだけだ。それなら気晴らしに友達とカラオケに行って発散したほうがいくらか健康的だ。
特別仲の良い友達と作っている『グループ』に連絡をすると、すぐに読まれ、駅前に集合命令の連絡が面白スタンプで返されてきた。
そのスタンプにくすっと笑ってしまう。でもそれが有難かった。
トムは上着を羽織り、財布をポケットに捻じ込んだ。
『了解。仕事頑張れよ』
有に短めに返信をした。これが読まれるのはいつになるか分からない。
それでもやはり未練がある。いい男、いい彼氏を演じてしまう自分に嫌気がさすが、軽く頭を振り、玄関を開けた。
トムは有からのメールを読むとすかさずSNSで検索をかけた。すると、あっという間に有と健司が二人で映っている写真がばんばん出てきた。
これが最初じゃないけれど、さすがに毎回ショックを受ける。スマホをベッドに投げ、そのまま寝っ転がった。
今日は有と食事の約束をしていた。
今流行りの服に、ヘアスタイルも有とつりあうようにセットして、トップモデルまでとはいかなくとも、そこは自分だってモデルのはしくれだ。そこそこ見栄えはする。トムなりに有のために頑張っていた。
しかし、今日の約束はモデル仲間の健司にかっさらわれてしまった。
よせばいいのに、つい手元にスマホを引き寄せ、SNSで新たに検索してしまう。
新しい写真が上がってきた。
そこにはファンの子と仲良く三人で映る有の笑顔。その隣には健司。
「……お似合いかよ」
皮肉に吐き捨てる。
こんなときは一人で家にいても塞ぎ込むだけだ。それなら気晴らしに友達とカラオケに行って発散したほうがいくらか健康的だ。
特別仲の良い友達と作っている『グループ』に連絡をすると、すぐに読まれ、駅前に集合命令の連絡が面白スタンプで返されてきた。
そのスタンプにくすっと笑ってしまう。でもそれが有難かった。
トムは上着を羽織り、財布をポケットに捻じ込んだ。
『了解。仕事頑張れよ』
有に短めに返信をした。これが読まれるのはいつになるか分からない。
それでもやはり未練がある。いい男、いい彼氏を演じてしまう自分に嫌気がさすが、軽く頭を振り、玄関を開けた。