その出会い、運命につき。
「すごく柔らかくて美味しいです!」

美味しさに感動してテンションが高くなる。

「この店、当たりだね。」

私の反応に胡桃さんは大きく頷きながら、言う。

目の前の鉄板では次のお肉が焼かれ始めていて、また食欲を誘うようなじゅわっといい音が聞こえる。

美味しい料理に舌鼓を打ちながら、胡桃さんとたわいもない話を交えつつ今更ながらお互いの自己紹介をする。

私は処方箋で名前を覚えたけど、胡桃さんは私の白衣に付いている名札を見てくれたそうだ。
そういえば、その名札の上に被さるように、うさ茶んの付いたボールペンが挿してあるんだった。

あんな短時間のやり取りなのによく見てくれてたんだなぁと感慨深くなる。

< 33 / 71 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop