パクチーの王様

 そこで、自らの失言にフォローを入れないといけないかな、と思った芽以は、
「まあ、緑を見ていると目が良くなりそうですよね」
と言ってみた。

 逸人は腕を組んだまま、こちらを見、沈黙している。

 ……お気に召さない答えだったようだ。

 申し訳ございません、くだらぬことを申しまして、と芽以は思う。

 ふたたび、土下座したくなるくらいの静かな威圧感があったからだ。

「いやあのー、パクチー好きな人には、いいかもしれないですね」

 私は苦手なんですけど……と苦笑いしながら、後ずさりかけたとき、逸人が言った。

「俺もパクチーは嫌いだ」

 ……今、なんと?
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