恋の仕方を教えてくれますか?
忘れ物
ああ言ってしまった手前、時間をずらさないとまた下で鉢合わせてしまう。だから五分だけオフィスに佇む。しばらくすると、案の定警備員さんがやってきて、「またあなたですか!」と叱られてしまい、一階まで煽られるように追い出されてしまった。
「あーもう!」
疲れるし、気は使うし、急かされるしホントに疲れた…!
とりあえずはスマートフォンの履歴を確認しようとして、ある事に気付いてサーっと血の気が引いた。
「やば、ランチバック、ロッカーの中だ…!」
その中にはいつもお弁当、家の鍵、小銭入れが入っている。今日みたいな何も予定のない日は最低限のお金しか持ってこない。
スマートフォンはお昼の後、後で取り出そうといつもそこに入れていたし、家の鍵は取り出すのが楽だからといつもランチバックに入れている。
ダッシュで会社に戻って裏口に回ってインターフォンを押す。
お願いお願い…!まだ居て、警備員さん…!
一回、二回、三回…とボタンを押すも、誰も出てくることはなかった。やばいよ…。無一文で宿無しとか笑えない。
「っ…」
なんだか情けなくて涙が出てきた。おまけに寒いし…。
今日の私、本当についてない。こんなことだったら変な計算なんてしないで素直に榊さんと下に降りればよかった。ホントバカ…。
誰も出てこないここにいたってしょうがないから自宅の方に向かおうと歩き出した。すると、後ろから車のヘッドライドが私を照らした。
その車は私と並走し、そして止まった。
「及川さん!?」
声の主は、榊さんだった。
「ってなんで泣いているんですか?」
榊さんは急いで車から降りて私に駆け寄ってくれる。
「あーもう!」
疲れるし、気は使うし、急かされるしホントに疲れた…!
とりあえずはスマートフォンの履歴を確認しようとして、ある事に気付いてサーっと血の気が引いた。
「やば、ランチバック、ロッカーの中だ…!」
その中にはいつもお弁当、家の鍵、小銭入れが入っている。今日みたいな何も予定のない日は最低限のお金しか持ってこない。
スマートフォンはお昼の後、後で取り出そうといつもそこに入れていたし、家の鍵は取り出すのが楽だからといつもランチバックに入れている。
ダッシュで会社に戻って裏口に回ってインターフォンを押す。
お願いお願い…!まだ居て、警備員さん…!
一回、二回、三回…とボタンを押すも、誰も出てくることはなかった。やばいよ…。無一文で宿無しとか笑えない。
「っ…」
なんだか情けなくて涙が出てきた。おまけに寒いし…。
今日の私、本当についてない。こんなことだったら変な計算なんてしないで素直に榊さんと下に降りればよかった。ホントバカ…。
誰も出てこないここにいたってしょうがないから自宅の方に向かおうと歩き出した。すると、後ろから車のヘッドライドが私を照らした。
その車は私と並走し、そして止まった。
「及川さん!?」
声の主は、榊さんだった。
「ってなんで泣いているんですか?」
榊さんは急いで車から降りて私に駆け寄ってくれる。