社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~
「え?」
真正面から顔を覗き込んできた名取さんが、ふいに「ふげっ」と声を出してのけ反った。ぽかんとして見ると、彼の背後に立っていた社長が営業マンの襟首を引っ張っている。
「く、首が!」
苦しむ名取さんを解放すると、社長は私を隠すように間に立った。広い背中に、営業マンの姿が遮られる。
「名取、これ飲んどけ」
「……へ、ウコン?」
社長の横から顔を出して見ると、名取さんがドリンク剤を受け取っているところだった。
「向こうの担当者はザルらしい。しかもお前みたいなノリのいい男が好きなんだそうだ。今日は飲まされるぞ」
「ひえー」
苦い顔をして、もともとそこまでお酒に強くない営業マンはドリンク剤の蓋を開けて一気に呷った。